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パンプスの「痛い」の原因(4)



仕事でパンプスや革靴などを履いていると、冬でも靴の中は蒸れるもの。

足はすぐ臭くなるイメージがありますが、実は足にある汗腺は、無味無臭で体温調節のための汗を出すエクリン腺。
腋などにある有機物を含んだ臭いやすい汗を出すアポクリン腺とは違い、臭いにくい汗を分泌する汗腺です。

では何故、足は臭くなってしまうのでしょうか?

原因は、足に棲む常在菌が足表面のタンパク質汚れ(皮脂や古い角質、垢など)を分解したときに発生する、悪臭を放つ物質。

対策として、
・毎日指の間まで石鹸でしっかり足を洗う
・2日以上同じ靴を履かない
・靴下を履く
ということを徹底し、タンパク質汚れを減らせば、足の臭いはかなり抑えることができます。

お困りの方は、是非試してみてください。

それでは、第四回です。
パンプスの「痛い」の原因

1 踵が靴擦れして痛い
2 指が靴擦れして痛い
3 親指の付け根・小指の付け根が痛い(外反母趾・内反小趾)
4 足の裏にタコ・魚の目ができて痛い←今回はココ!
5 パンプスと足の裏にスキマがあり、疲れて痛い


足の裏のタコ・魚の目の状態と原因

まずは、タコと魚の目の違いについて。


タコと魚の目の違い

胼胝

タコは漢字では胼胝と書き、「べんち」とも読む、皮膚の角質が厚くなったものです。
正常な皮膚との境目があまりなく、広範囲に及ぶことがあります。摩擦や圧迫などの皮膚への刺激が繰り返されることによって角質層が厚くなったもので、無痛の場合と痛みが生じる場合があります。

魚の目(鶏眼)

魚の目は鶏眼(けいがん)という障害の一般的な呼称で、断面を見ると皮膚の表面から内側の真皮深層へ向けて尖った円錐形をしています。この形が神経や血管を圧迫すると、強い痛みを伴います。魚の目も皮膚が厚くなりますが、面積が小さく、正常な皮膚との境界がはっきりしていて、中央に核があります。尖っていて、いかにも痛そうです…

共通点としては、どちらも骨や健などの隆起した部分に起こりやすい障害です。
以前、靴ずれも摩擦によるものと書きましたが、胼胝や魚の目も摩擦や圧迫による刺激が継続することが原因です。

局部的に圧迫感の強い靴や、硬い素材の靴、サイズが小さすぎたり幅が狭すぎたりする靴を履き続けた場合などに起こります。
また、高齢の方などで足の血行が悪い場合に複数鶏眼が発生することもあります。糖尿病や動脈硬化症でも循環障害が発生して血行が悪化するため、起こることがあります。


足の裏のタコ・魚の目への対策

これらを防ぐためには、摩擦をなくしたり小さくしたりすること。また、できてしまった後の対策としては、患部を保護することです。


対策1足に合ったサイズ・形のパンプスを履く

足にフィットした靴は、ほとんどの足のトラブルを防ぐと言っても過言ではありません!
胼胝や魚の目も摩擦が原因で起こるため、擦れることのない足に合ったパンプスを履くことが重要です。
履き込みの深いパンプスでスロートがきちんとフィットするかを確認し、緩いようであれば、ハーフインソール等を使用して調整することをおすすめします。


対策2 靴擦れ防止パッド・摩擦防止スプレーを使う

靴擦れ防止パッドを使うと摩擦を防げるため、結果的に胼胝や魚の目への対策にもなります。
最近では、足や靴に吹き付けることで摩擦を防止するスプレーも市販されています。こちらも靴擦れ防止にはもちろん、胼胝や魚の目を防ぐためにも有効な手段なので、探してみてください。


対策3 胼胝・魚の目保護パッドを使う

できてしまった胼胝・魚の目には、患部を保護し、摩擦や衝撃を軽減するためのパッドを使用すると痛みが軽減され、症状の悪化も防げます。ただ、痛みは防げますが、パッドで保護しているからといって自然治癒するとは限りません。


足の裏のタコ・魚の目のケア

では、できてしまった胼胝や魚の目をなくすにはどうすればいいか?というと、それぞれで対処法が異なります。

胼胝

胼胝は、余程程度の酷いものでなければ自分で治すことが可能です。入浴時などの表皮が柔らかくなっているときに軽石や足用のヤスリなどで削る方法が簡単です。
また、胼胝は厚くなった角質層なので、同じく入浴時などに根気よく揉みほぐす方法もあります。

魚の目(鶏眼)

魚の目は核を取り除く必要があるため、市販のスピール膏などで自分でケアすることもできなくはないですが、出血や細菌感染など、逆に悪化してしまう場合もあるため、病院での治療が確実です。

胼胝も魚の目も日常的に起こりやすい症状ですが、できてしまうと痛いので、予め防ぐケアをしていきたいですね。


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