シューフィッター松本の靴選び講座 vol.3

welleg商品部の松本です。
今回からはシューフィッターとして足の採寸についてや、自分の足に合った靴選びについてお伝えできればと思います。
今回は、足の計測データとラスト(木型)データを比較して、自分の足に合うかどうか判断する方法をご紹介していきます。
ポイントとして覚えておくと、今後通販で買ったものの「合わない!」という失敗を減らすことができると思います!
でも、毎回データにとらわれすぎるとおしゃれを楽しめないということもあると思うので、嫌にならない程度にお付き合いいただければと思います…!
※Wellegの商品は、ラストデータをできる限り掲載するようにしていますが、生産時は手作りの工程も多い為、実際の商品と数㎜程度の差が生じることがありますので予めご了承ください。
実際の足のデータと足の特徴を見てみよう
こちらは、自分がスタッフAさんの足の採寸を行ったものです。
- 足長:24.1㎝
- 足囲:23.2㎝
- 足幅:9.4㎝
シューフィッターは計測した際、画像のようにいろんな部位を計測して、足長や足囲以外のデータも計算します。
今回は自分でも測れる足長、足囲、足幅を中心に、つま先の形なども加えて見ていければと思います。
このスタッフAさんの場合は、前回のJIS企画のデータにあてはめた場合、「24.0㎝:ウィズE」ということになります。足長24.0㎝の足幅の基準値が96㎜なので、94㎜はほんの少し小さめということが分かります。
次に、スタッフAさんのつま先の特徴をみていきます。
つま先の形としては、親指が一番長いエジプト型。
多くの方が成長していく中で靴の形などの影響もあり親指と小指の角度が内側に向いているのですが、小指が付け根に対して少し外側に出ています。
こういった特徴も、靴を選んでいく中でポイントとなってきます。
ちなみに、なぜエジプト、ギリシャと呼ぶのかについて豆知識をひとつ。
一説によるとギリシャの古代の壁画で裸足で描かれている人の足は、人差し指が長いつま先の形をしており、エジプトの壁画では親指の長さが一番長く描かれていることから、このように呼ばれているそうです。
実際のデータと比較してみよう
上記は、実際に販売している5㎝ヒールパンプスのラストデータです。
約5㎝のヒールで尖りすぎていないポインテッドトゥのパンプスです。
menue (メヌエ) ポインテッドトゥ 5cmミドルヒールパンプス
足のデータとラストデータの数値の差を比較しながら見ていきます。
【足長】
ラストデータ:26.2㎝
足の足長:24.1㎝
まず足長に、2.1㎝の差があります。この差が捨て寸にあたります。
今回のような尖りすぎていないポインテッドトゥの場合は2~3㎝程度、もっと尖っているものであれば3~4㎝程度、スクエアやラウンドトゥなどのタイプでも0.5㎝~2㎝程度の捨て寸があるのが理想です。
捨て寸がなかったり短すぎるのは、基本的にはおすすめできません。
歩く度に足は靴の中で少しずつ動いています。その為、捨て寸が短すぎる=歩くたびにつま先を靴に打ち付けて歩くようなもの。足にも靴にも良くないです。
ちなみにサンダルの場合は、多く捨て寸は必要はないですが、つま先を守るという意味では0.5~1㎝程度捨て寸がある方が安心です。
【足囲】
ラストデータ:21.9㎝
足の足囲:22.7㎝
足囲は、0.8㎝足の方が大きいです。
ここで気になるのが、足の方が大きいことです。
一見、足の方が大きいので入らないのでは?と思うかもしれません。
しかし、個人差はありますが実際0.5~2㎝程度であれば、靴の方が小さくても足は入ってしまうんです。
足囲は、締め付けない場合とギュッと絞めつけた場合、立った場合や座った場合など、状態で数値は結構変動します。
今回測った足囲は、絞めつけていない立った状態でのデータなので、一番大きい状態です。
結論から言うと、特にパンプスでは、足囲についてはピッタリか、少し小さい方がいいんです。
逆に足囲が緩いと、靴の中で足が前後に動いてしまい、無駄に足に負担が掛かったり、靴擦れが起きたりする原因になります。
足囲が緩めの靴を履いている人は結構多いですが、次回から靴を選ぶ際には、気にしてみてください。
試着が可能な場合であれば、以下をチェック!
足が靴の中で動かない
足囲が痛くない程度にピッタリ
指が自由に動く
これを満たすのが、理想的なサイズ感になります。
今回はここまで。
次回は足幅についてと、選び方についてお話します。
その他、測り方などについては同じくシューフィッターのごっちゃんのコラムにもたくさん記載しているのでこちらもご覧ください。