シューフィッター松本の靴選び講座 vol.④
welleg商品部の松本です。
今回からはシューフィッターとして足の採寸についてや、自分の足に合った靴選びについてお伝えできればと思います。
今回は、前回に引き続き足の計測データとラスト(木型)データを比較して、自分の足に合うかどうか判断する方法をご紹介していきます。
前回は、足長、足囲の見方をお伝えしましたが、今回は足幅(そくふく)についてとデータ比較の際のポイントを最後にまとめたいと思います。
例としてみている足はこちら
足長:24.1㎝
足囲:23.2㎝
足幅:9.4㎝
比較しているデータはこちら
約5㎝のヒールで尖りすぎていないポインテッドトゥのパンプスです。
足のデータとラストデータの数値の差を比較しながら見ていきます。
足幅データを比較してみよう
【足幅】
ラストデータ:8.0㎝
実際の足:9.4㎝
足幅についておさらいです。
足幅とは、足の横幅の一番広い部分。
足の親指の付け根の骨の出っ張っている部分から小指の付け根の骨の出っ張っている部分までの長さを測った数値です。
今回比較している足データはまっすぐに立ち、足に体重がかかった状態で計測しています。つまり、一番大きい状態になります。
今回の比較するデータでは、ラストデータより足のデータの方が1.4㎝大きいですね。これで足は入るのかなと思うかもしれません。
もちろん個人差はありますが、この人の場合は入りました。
どうして入るのか?
自分の足幅を痛くない程度に親指側と小指側からギュッとつまんでもらうと分かりやすいと思いますが、約5㎜~20㎜程度小さくなります。
※個人差はあります。
自分の足幅がどのくらいギュッと小さくなるかにもよりますが、足幅のデータを比較する際は、5~20㎜程度はラストデータが小さいものも選ぶことができます。
余り小さすぎるとキツくなり、歩きにくくなることもあるので注意。
足囲と同様に足幅も、自分の足と比較してラストデータがピッタリか、キツくない程度に小さい方がいいです。
大きくてもインソールやソックスで多少の調整は可能ですが、基本的に足囲・足幅がゆるい靴は、足が靴の中で動いてしまい、歩き方にも悪影響を及ぼす可能性があります。
足が疲れやすくなったり、腰痛などの不調に繋がる場合もあり、あまりおすすめできません。
また、注意すべき点がもう1点。
同じ足長の人でも、足幅は骨の位置で測るため、人によって前後してきます。これは木型でも同じことがいえます。
数値的には問題なくても、木型の足幅の位置と自分の足幅の測った位置がピッタリと一致するわけではないので、ご注意ください。
ネット購入でこの位置の差を確実に埋めるのは難しいですが、下記を注意して選ぶと大きな差は出にくくなります。
●自分の足のつま先の形と欲しい靴のつま先の形が合っているかを確認。
●足の形のシルエットと靴のシルエットを見比べてできるだけ近いものを選ぶ。
そうすれば、ラストとの足幅の位置の差も、大きくなりにくいはずです。
靴のサイズ選び・フィッティングのポイントまとめ
ここまで、ネットで靴を購入する際に使える、自分の足のデータとラストデータとの比較の方法をお伝えしてきました。
簡単に、ポイントをまとめます。
今後の靴購入の際、少しでも不安を解消し、靴選びの手助けになれば幸いです。
【足長】
足長の長さを見るときは、パンプスやブーツの場合、つま先に捨て寸があるのが理想です。
必要な捨て寸の目安は、
尖りすぎていないポインテッドトゥ:2~3㎝程度
尖っているポインテッドトゥ:3~4㎝程度
スクエアやラウンドトゥ:0.5㎝~2㎝程度
足のデータと比べて、どれくらいラストデータの方が大きいか(余裕があるか)を確認しましょう。
サンダルの場合は、多くの場合捨て寸は必要ありませんが、つま先を守るという意味では0.5~1㎝程度捨て寸があると安心です。
加えて、自分のつま先の形がどういった形をしていて、どんな形と相性が良いか、確認してから選ぶとより合いやすくなると思います。
【足囲、足幅】
足囲、足幅は自分の足よりラストデータがピッタリか、キツくない程度に少し小さい方がおすすめです。
足囲、足幅が緩い場合は足が靴の中で動いてしまい、靴擦れの原因になったり、疲れやすくなったり、腰痛などの不調を引き起こす場合もあります。
自分の足囲・足幅が、痛くない程度にギュッと締め付けた際にどれくらい締まるのかを確認し、余り変化しない場合はピッタリめのサイズを選ぶと失敗しづらいと思います。
【フィッティングのポイント】
試着が可能な場合は、以下をチェック!
☑ 足が靴の中で動かない
☑ 足囲が痛くない程度にピッタリ
☑ 指が自由に動く
これを満たすのが、理想的なサイズ感になります。
その他、測り方などについては同じくシューフィッターのごっちゃんのコラムにもたくさん記載しているのでこちらもご覧ください。